
100均で作るモンテッソーリ教具・おもちゃ|年齢別・ねらい別 手作りアイデア12選【ダイソー・セリア】
はじめに
「モンテッソーリ教具って高そう…」「どこで買えばいいのかわからない」。そんな声をよくいただきます。
実は、ダイソーやセリアといった100均で手軽に手に入る材料でも、モンテッソーリ的なねらいをきちんと満たす教具を作ることができます。本物の教具と見比べても遜色のないものが、200〜400円で完成します。
この記事では、モンテッソーリ教育歴20年の講師が、100均材料で作れる教具を年齢別・ねらい別に12選ご紹介します。作り方の手順とモンテッソーリとしてのねらいも合わせて解説しますので、今日から取り組める内容になっています。
この記事の要点
- 0〜3歳の年齢別に、指先・感覚・言語・数のねらいに合わせた12種類を紹介
- 材料はほぼダイソー・セリアのみ。1種類200〜400円で作れる
- 作り方3ステップとモンテッソーリ的な「提示のコツ」をセットで解説
筆者のプロフィール

田中 洋子
- みらいキッズモンテプリスクール 園長
- モンテッソーリ教育幼稚園/保育園勤続 20 年
- 日本モンテッソーリ協会ディプロマ取得
- 幼稚園教諭免許
- 保育士資格
100均教具を作る前に知っておきたいこと
モンテッソーリ教具に共通する3つの条件
市販のモンテッソーリ教具も手作り教具も、次の3つを満たすことで「教具らしく」機能します。
手作り教具が満たすべき3条件
動作が1つに絞られている:「入れる」「移す」「通す」など、一度に練習する動きが1種類であること
自己修正の仕掛けがある:うまくいかなかったとき、大人に言われなくても子ども自身で気づける構造であること(例:穴のサイズより大きいものは入らない)
子どもが扱えるサイズ・重さである:手のひらに収まるサイズで、力を入れすぎず操作できる重さのもの
この3つを意識しながら100均アイテムを選ぶと、失敗しにくくなります。
提示の基本3ステップ
教具を渡す前に、大人がゆっくりお手本を見せることがモンテッソーリの基本です。
提示の手順
- トレーに教具をセットして、子どもの正面に座る
- 声は出さず、ゆっくり・大げさな動作でお手本を見せる(1回でOK)
- 「どうぞ」と手を引いて、あとは子どもに任せて静かに見守る
声をかけすぎず、集中が切れるまで自分のペースで取り組ませてあげてください。
手作り教具の基本3ステップ
ステップ1:子どもの「今の興味」を観察する
1週間ほど、子どもが繰り返している遊びを観察してメモします。「ティッシュを引っ張る」「ものをビンに入れる」「スプーンでモノを移す」など、集中して繰り返している動作が教具選びのヒントになります。
ステップ2:動作に合った100均材料を選ぶ
観察した「動作」に対応するアイテムをダイソー・セリアで選びます。材料費の目安は1種類200〜400円です。
| 子どもの動作 | 対応する100均アイテム例 |
|---|
| 入れる・落とす | フタ付きガラス瓶、ストッカー容器 |
| 移す・すくう | スプーン、シュガートング、小皿 |
| 通す・はめる | モール、紐、プラスチック管 |
| つまむ・はさむ | 洗濯バサミ、ピンセット |
| 分類・並べる | 仕切りトレー、カラーポンポン |
ステップ3:トレーに並べて提示する
100均のトレーやお盆の上に教具一式をセットします。トレーを「活動の場所」として机や棚に置いておくことで、子どもが自分で選んで取り組む習慣が自然にできます。
年齢別・ねらい別 手作り教具12選
0〜1歳向け(指先・感覚の基礎)
1. ストロー落とし(入れる)
材料と作り方
- 材料(ダイソー):ストロー付きの飲料ボトル(蓋にストロー穴あり)、ストロー数本
- 作り方:ストローを5cmほどの長さに切り、ボトルのストロー穴から落とすだけ
- モンテッソーリのねらい:「入れる」動作の習得、集中力の基礎づくり。穴より大きいものは入らないという自己修正が自然に働く
「入った!」という瞬間を何十回でも繰り返します。この繰り返しが集中力を育てているのです。
2. 無限ティッシュ(引っ張る)
材料と作り方
- 材料(ダイソー):ウェットティッシュの空きケース、ハンカチ数枚
- 作り方:ハンカチを交互に角を結んでつなげ、ケースに入れる。引くと次が出てくる仕掛けにする
- モンテッソーリのねらい:引っ張る動作の敏感期に対応。手全体を使う大きな動きから指先の細かい動きへの橋渡し
ティッシュを出したがるのは「意地悪」ではなく、引っ張る動作を練習している大切な時期のサインです。
3. ポットン落とし(穴に入れる)
材料と作り方
- 材料(ダイソー):フタ付きプラスチック容器(タッパー等)、直径5cm以上の大きなフェルトボール(一体成形・小部品なし)
- 作り方:フタに子どもの手全体がすっぽり入る程度の大きな穴を開け、切り口をテープで保護する
- モンテッソーリのねらい:目と手の協調運動、「入れる」敏感期の充足。ボールは必ず5cm以上の一体成形品を使用し、小部品は絶対に使わない(窒息防止)
1〜2歳向け(指先・感覚・言語の発達)
4. スプーン移し(移す)
材料と作り方
- 材料(ダイソー):スプーン1本、小皿2枚、カラーポンポン10個程度
- 作り方:左右に小皿を置き、左からスプーンで右へポンポンを移す。慣れたら色ごとに分類も可能
- モンテッソーリのねらい:指先と手の協調動作、後の食事マナーにつながるスプーンの使い方の基礎
5. トング移し(つまむ)
材料と作り方
- 材料(ダイソー・セリア):シュガートング(先が丸いもの)、カラーポンポン、小皿2個
- 作り方:左側にポンポンを入れ、トングで右側へ移す。小皿に色シールを貼ると色分け遊びに応用できる
- モンテッソーリのねらい:3本指を使った操作で箸の前段階の握り方を練習。集中力の向上。後の鉛筆書きの土台になる
「できた!」と目を輝かせながら何度も繰り返す姿を見ると、この単純な動きがいかに大切かを実感できます。
6. シール貼り(指先・目の協調)
材料と作り方
- 材料(ダイソー):丸シール(カラー)、画用紙
- 作り方:画用紙に鉛筆で丸を描き(同じサイズ)、その上にシールをぴったり貼る
- モンテッソーリのねらい:細かい指先操作と目と手の協調。「ぴったり重ねる」という自己修正が働く
7. 紐通し(通す)
材料と作り方
- 材料(ダイソー):モール(工作用)、ストローを3cmに切ったもの
- 作り方:ストローの切れ端をモールに通していく。柔らかく曲がるため0〜2歳でも扱いやすい
- モンテッソーリのねらい:「通す」敏感期に対応。指先と目の協調、色の認識(カラーモールを使う場合)
2〜3歳向け(感覚・言語・数の発達)
8. 洗濯バサミ遊び(つまむ力・数の基礎)
材料と作り方
- 材料(ダイソー):洗濯バサミ10〜15個、空き箱の蓋部分
- 作り方:箱の縁に洗濯バサミを全部つけ、外してまたつける。慣れたら「赤を先に全部外して」と色指定をする
- モンテッソーリのねらい:手全体の握力と指先の操作力。「数える」「色を識別する」ことへの自然なつながり
9. 色分けゲーム(分類・感覚)
材料と作り方
- 材料(ダイソー・セリア):製氷トレー、カラーポンポン(赤・青・黄・緑など)、トング
- 作り方:トレーの仕切りに色シールを貼り、対応する色のポンポンをトングで入れる
- モンテッソーリのねらい:色の識別と分類の論理的思考。正しく分類できたときの視覚的な自己修正が達成感を生む
10. 雑音筒(音の感覚・マッチング)
材料と作り方
- 材料(ダイソー):小さな容器(同じもの6個)、中身(砂・米・豆・小石など)
- 作り方:ペアで同じ素材を入れ、フタをテープで封じる。振って同じ音のペアを見つける
- モンテッソーリのねらい:音の聴き分け(聴覚の敏感期)、マッチングの論理思考。音以外の手がかりを使わないよう容器は同じデザインにする
11. 豆つかみ(指先・数の基礎)
材料と作り方
- 材料(ダイソー):大きめの乾燥豆(大豆・そら豆など)、小皿2枚、スプーン
- 作り方:左の皿から豆を1個ずつ右の皿へ移す。慣れたら「5個移せたらお終い」と数の概念を加える
- モンテッソーリのねらい:3本指の操作と集中力。「ひとつ、ふたつ」と数えながら行うと数の概念の基礎づくりになる
12. ボタンかけ布(自立活動・指先)
材料と作り方
- 材料(ダイソー・セリア):フェルト2枚、大き目のボタン(縫い付け可能なもの)、針と糸
- 作り方:フェルト1枚にボタンを縫い付け、もう1枚に対応する大きさのボタン穴を切る。縫い合わせてフレームにする
- モンテッソーリのねらい:自分で着替えるための手指の操作練習(自立活動の敏感期)。毎日の着替えへの橋渡しになる
年齢別 教具ローテーションの目安
棚に並べる教具の数は3〜4種類が理想です。毎週1種類を入れ替えることで、子どもの興味を持続させられます。
| 年齢 | おすすめの教具の組み合わせ |
|---|
| 0〜1歳 | ストロー落とし・無限ティッシュ・ポットン落とし |
| 1〜2歳 | スプーン移し・シール貼り・紐通し・トング移し |
| 2〜3歳 | 洗濯バサミ遊び・色分けゲーム・豆つかみ・ボタンかけ布 |
子どもが自分から手に取るものを優先して出しておくのが、飽きずに続けるコツです。
よくある質問
Q. 100均のモンテッソーリ教具は何歳から使えますか?
A. 0歳後半(ハイハイ期)から3歳ごろまで幅広く使えます。年齢ごとに動作の難易度を調整するのがポイントで、0〜1歳は「入れる・引っ張る」、1〜2歳は「移す・つまむ」、2〜3歳は「通す・分類・はめる」が目安です。
Q. 100均の素材はモンテッソーリ教育として正しいですか?
A. 素材の「本物感」はモンテッソーリ教育で大切にされますが、手作り教具はモンテッソーリ自身も推奨しています。100均のガラス小瓶・木製トレー・陶器の器などは「本物素材」に近く、十分に使えます。プラスチック製でも、子どもが夢中になり自己修正できる仕掛けがあれば機能として問題ありません。
Q. 手作り教具を子どもが壊してしまいます。どうすれば?
A. 100均教具なら「壊れたら作り直せる」という気軽さが強みです。壊れにくくするにはトレーの上でのみ使うルールを徹底し、容器はフタが固すぎないものを選びましょう。壊してしまった場合は「こうすれば大丈夫だったね」と次の使い方を一緒に確認する機会にします。
Q. 子どもがすぐに飽きてしまいます。
A. 同じ教具を棚に出しっぱなしにすると飽きやすくなります。棚に並べる教具は3〜4セットに絞り、1週間ごとにローテーションするのが効果的です。子どもの集中が切れたタイミングで「お仕事終わりにしようか」と声をかけ、次への楽しみを残しておくことも長続きのコツです。
Q. 100均でモンテッソーリ教具を作るのにいくらかかりますか?
A. 1種類の教具あたり材料費200〜400円が目安です。家にある空き瓶・スプーン・洗濯バサミなどを活用すればほぼ0円でできるものもあります。最初に5種類そろえても1,000〜2,000円以内で収まることがほとんどです。
Q. ダイソーとセリアどちらがモンテッソーリ教具の材料に向いていますか?
A. 両方を使い分けるのがおすすめです。ダイソーはガラス小瓶・木製アイテム・収納トレーなど素材の種類が豊富。セリアは色が整ったポンポンボールや小物類が充実しており、感覚教具向きです。どちらも100円でそろうため、目的に合わせて選んでください。
まとめ
100均(ダイソー・セリア)でも、モンテッソーリの「ねらい」を意識した教具を十分に作ることができます。
今日から取り入れたいポイント
- 子どもの「繰り返している動作」を観察してから材料を選ぶ
- 「動作が1つ・自己修正あり・扱えるサイズ」の3条件を満たすものを選ぶ
- トレーに並べて3〜4種類だけ出し、週1回ローテーションする
まずは一番簡単な「ストロー落とし」や「スプーン移し」から試してみてください。お子さんが夢中になる瞬間を、ぜひ静かに見守っていただければと思います。
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