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好奇心を育てる|モンテッソーリの家庭環境と声かけ10の工夫

はじめに

自分のお子様に対して「できることなら、色々なことに好奇心をもって積極的に取り組んでほしい」と思う方は多いのではないでしょうか。

「もっと知りたい」「なんでこうなるんだろう?」「やってみたい!」このような子どもの好奇心は、学びの原点です。

今回はそんな「好奇心」を育むために、大人の立場からサポートできることについて、モンテッソーリ教育の考え方を元に説明していきます。

先生
この記事の要点
  • 「自分で選ぶ→試す→振り返る」循環を環境で支える
  • 声かけは事実の言語化(OK/NG例あり)
  • 3分リセットで翌日も続く仕組みに

筆者のプロフィール

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田中 洋子

  • みらいキッズモンテプリスクール 園長
  • モンテッソーリ教育幼稚園/保育園勤続 20 年
  • 日本モンテッソーリ協会ディプロマ取得
  • 幼稚園教諭免許
  • 保育士資格

目次

好奇心はどうして大切?

「これってなんだろう?」という物への興味、「この方と関わってみたい」という他者への興味、これらのすべてのはじまりは好奇心です。

好奇心が育まれることで得られる利点:

好奇心の効果
  1. 学習意欲の促進 - 知識を欲する意欲が高まり、積極的に学び、自分自身で問題を解決する力が育つ
  2. 創造力の育成 - 自分で考え、問題解決の方法を考え出すクリエイティブな能力が育まれる
  3. 自己肯定感の向上 - 問題を解決し、新しいことを学ぶことで自信を持って新しいことに挑戦できる
  4. 社会性の発達 - 新しい人や環境に対してオープンマインドな姿勢を持ち、他者と協力する力が育つ

好奇心が育つメカニズム

モンテッソーリ教育では、好奇心は次のサイクルで育まれます:

  1. 選ぶ - 自分で興味のある活動を選択する
  2. 試す - 実際に手を動かして試行錯誤する
  3. 振り返る - 結果を観察し、次への学びにつなげる

このサイクルは、子どもの発達段階に応じた敏感期(秩序、言語、運動など)と深く関係しています。敏感期について詳しく知りたい方は、「敏感期」記事をご覧ください。

家庭環境の整え方(チェック10)

好奇心を育む環境づくりのチェックリスト:

環境づくり10項目
  1. 多すぎない選択(1カテゴリ1点)
  2. 低い棚に定位置(写真ラベル)
  3. 紙・道具・片付け箱の並び順
  4. 大人動線と干渉しない小スペース
  5. 3~5分で完了できる活動を1つ用意
  6. 片付けは共同→部分自立→自立
  7. 終了の合図を一貫(同じ言葉)
  8. 見本は静かに短く(10秒)
  9. 「成功」より試行を称える設計
  10. 週1ローテーションで新鮮さ維持

今すぐできる3分リセット

毎日の活動終了時に行う簡単な習慣で、翌日の好奇心を持続させます:

3分リセット手順
  1. 残った道具を片付け箱に集約
  2. 明日の「最初の1つ」を棚の正面に配置(選択肢は2つまで)
  3. 合図の言葉を固定化(例:「今日はここまで。明日は赤の箱からね」)

大人の適切なサポートとは?

大人が子どもと向き合う姿勢や関わり方によって、子どもの好奇心や自己肯定感が大きく左右されます。

子どもの好奇心を育むためには、大人の関わり方が重要です。具体的には以下のような点が挙げられます。

子どもの質問に真剣に向き合う

子どもが「なぜ?」や「どうして?」と質問をするとき、大人はそれに真剣に向き合って答えることが重要です。簡単に答えるだけでなく、一緒に考えたり調べたりすることで、子どもの好奇心を刺激し、興味を持続させることができます。

子どもの興味を尊重する

子どもが興味を持ったことに対して、大人が否定的な態度をとると、子どもの好奇心を抑えてしまいます。子どもの興味を尊重し、一緒に取り組むことで、子どもが自分自身で学ぶ楽しさを知ることにつながります。

子どもと一緒に学ぶ姿勢を持つ

子どもが興味を持ったことについて、大人が一緒に学ぶ姿勢を持つことで、子どもは学びを楽しむ姿勢を身につけます。大人が知識や経験を共有することで、子どもは大人との信頼関係を築き、自己肯定感を高めていきます。

子どもを見守る

子どもが自分で学ぶ場合、大人が見守ることが重要です。子どもが間違えたとしても、大人が指摘するのではなく、次に向けて取り組むことを促すことで、子どもが自信を持って取り組めるようになります。

そして、大人が好奇心をもつことで、世界を広げ、人生を豊かにしていく姿を見せることは、子どもの人生をも豊かにすることにつながるはずです。

OK/NGの声かけ例

OKな声かけ

事実の言語化

「長い線が描けたね」「色が変わったね」など、評価を避けて事実を述べる

選択の提示

「どっちからやってみる?」など、自分で選ぶ機会を提供

定位置の想起

「片付け箱はここ。赤いマークと同じ場所に戻そう」など、決まった片付け場所を意識させる

NGな声かけ

過度な評価

「すごい!上手!」など、過度な評価で自己肯定感が外部依存になってしまう

介入過多

「まだダメ。次はこうして」など、介入過多で思考が止まる

否定形

「なんで片付けないの?」など、否定形で自発性や自己肯定感を損なう

よくある質問

Q. 好奇心が強すぎて危ない行動をします

A. 危険物は環境から除外し、代替の「試せる行為」を用意。NG理由は短く明確に。

Q. 片付けを嫌がります

A. 共同→部分自立→自立へ段階移行。定位置+写真ラベルで戻しやすく。

Q. 買いすぎを防ぎたい

A. 1カテゴリ1点+週1ローテーション。興味が薄い物は一時収納。

Q. 兄弟の干渉が起きます

A. 段で領域分け/マットで境界。交代の合図を固定化。

園で実物を体験する

家庭では用意が難しい本物のモンテ棚を「見て触れて」体験できます。

モンテッソーリ園のHPをご覧の上、ぜひ一度遊びにいらしてください。


また、お子様の好奇心を育む具体的な方法について相談したい方や、日々の「なぜ?」「どうして?」への対応についてアドバイスが欲しい方は、モンテチャットをご活用ください。モンテッソーリ教育に基づいたAIが24時間お答えします。

みらいキッズモンテチャット - AI子育て相談のお知らせ

まとめ

子どもの好奇心は、学びの原点であり、知性や自主性、自己肯定感を育む土台となる力です。そんな大切な好奇心を育てるためには、大人の関わり方が重要です。

特に以下のポイントを意識しましょう:

  • 環境づくり10項目のチェックリスト活用
  • 3分リセットで継続的な学びをサポート
  • 事実を言語化する声かけで自発性を育む

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