モンテチャットでは、モンテッソーリの視点から、家庭での関わり方を一緒に考えられます。
「もう小学生なのに、まだ朝、離れるのを嫌がる」「保育園の頃は仕方ないと思えたけど、就学した今も同じだと、この先が心配」。そんな戸惑いを感じている保護者の方は少なくありません。
未就学児の分離不安は、発達の過程でよく見られるものとして受け止めやすい一方、就学後も続くと「発達的に大丈夫なのだろうか」「このまま不登校になってしまうのでは」という、少し違う種類の不安が生まれます。
この記事では、未就学児の分離不安との違い、学童期特有の原因、家庭でできる対応、登校しぶり・不登校との関係、相談先までを、モンテッソーリ教育の視点を交えながら整理します。
田中 洋子
モンテッソーリ教育は、イタリアの医師マリア・モンテッソーリが 20 世紀初頭に確立した教育法です。現在は世界 140 か国以上で実践されています。
中心にある考え方は「子どもには自分で育つ力がある」ということ。大人の役割は、何かを無理に教え込んだり急がせたりすることではなく、子どもが自分の力を発揮できる環境と関係性を整えることだとされています。
学童期の分離不安への向き合い方にも、この「子どもを信じて、環境と関わり方で支える」という考え方が役立ちます。
未就学児の分離不安は、初めての集団生活や環境の変化にともなって多くの子どもに見られる、発達段階として一般的な現象です。年齢が上がるにつれて少しずつ落ち着いていくケースがほとんどです。
一方、就学後も同じような不安が続く場合、「発達的に何か問題があるのでは」と心配になる保護者の方は多いです。ですが、就学後の分離不安がすぐに何らかの障害や病気を意味するわけではありません。環境の変化が保育園時代よりも大きく、慣れるまでに時間がかかっている段階である可能性もあります。
どちらに当てはまるかを保護者だけで断定する必要はありません。気になるサインが続く場合は、後述する相談先に早めに共有することをおすすめします。
学童期の分離不安には、未就学期とは異なる背景が重なっていることがあります。
入学、進級、クラス替え、担任の先生の変更など、小学生になると環境が変わる機会が増えます。慣れ親しんだ保育園・幼稚園の生活から大きく変化するため、保護者が思う以上に時間がかかることがあります。
学童期は友達との関わりが複雑になる時期です。「仲間はずれにされた」「うまく輪に入れない」といった悩みを、まだうまく言葉にできず、代わりに「学校に行きたくない」「離れたくない」という形で表れることがあります。
「間違えたら恥ずかしい」「うまくできないと困る」といった気持ちが強い子どもは、慣れない場面や評価される場面に対して緊張しやすく、それが分離不安として表れることがあります。モンテッソーリ教育では、結果より過程を大切にし、間違いを自分で気づき直す力(自己修正力)を育てる関わりを重視しますが、家庭や学校で「できたかどうか」だけを評価される機会が多いと、この不安が強まりやすいといわれています。
引っ越し、きょうだいの誕生、家族の体調不良など、家庭内の変化が分離不安のきっかけになることもあります。子ども自身がその変化をどう受け止めているかは、大人が思う以上に個人差があります。
学校での様子まで直接コントロールすることはできませんが、家庭を「安心して戻れる場所」として整えることはできます。
「なんで行きたくないの?」と理由を問い詰める前に、まずは「そう感じているんだね」と気持ちをそのまま受け止めます。
理由がすぐに言葉にできなくても構いません。受け止めてもらえたという安心感が、次に自分から話す土台になります。
「今日はどうだった?」だけでなく、「楽しかったことはあった?」「ちょっと困ったことはあった?」のように、良い面と気になる面の両方を安心して話せる問いかけを意識します。話した内容を否定したり、他の子と比べたりしないことが大切です。
学童期の子どもも、先の見通しが持てないと不安が強まりやすいものです。前日の夜に翌日の予定を簡単に伝えたり、「お迎えの時間」「今日は誰と一緒に帰るか」など具体的な情報を共有したりすることで、小さな安心を積み重ねられます。
モンテッソーリ教育では、子どもが自分でやり遂げた経験の積み重ねが自信につながると考えます。学校の準備や身の回りのことを、大人が先回りして全部整えるのではなく、子ども自身の手に委ねられる部分を少しずつ残すことで、「自分でできた」という実感が積み重なっていきます。
母子分離不安と登校しぶり・不登校は、同じ子どもに同時に見られることがあります。しかし、分離不安が続いているからといって、それが必ず不登校につながるわけではありません。両者を安易に因果関係で結びつけず、それぞれ別の側面として整理して見ていくことが大切です。
分離不安が強い子どもの中には、環境や関わり方が整うことで少しずつ落ち着いていくケースも多くあります。一方で、学校生活そのものに対する困りごと(友人関係、学習面、感覚面の負担など)が背景にあり、それが結果的に分離不安のような形で表れているケースもあります。
保護者だけで「どちらが原因か」を見極めようとする必要はありません。気になる様子が続く場合は、次に紹介する相談先に早めに状況を共有し、学校と家庭の両方の視点から子どもの様子を見ていくことをおすすめします。
学童期の分離不安への対応で、避けたい関わり方をまとめました。
年齢を理由に気持ちを否定されると、子どもは「わかってもらえない」と感じ、かえって不安を言葉にしにくくなります。
まだうまく言葉にできない気持ちを急かして聞き出そうとすると、話すこと自体が負担になることがあります。
「〇〇くんは平気だよ」という比較は自己肯定感を下げ、不安を強める方向に働きやすいです。
「このままでは不登校になる」と決めつけると、保護者の不安が先立ち、子どもへの関わりが硬くなりやすくなります。
家庭だけで抱え込まず、状況に応じて次のような相談先を活用しましょう。
この記事は医療的な診断を目的としたものではありません。子どもの状態を見立て、必要な対応を判断するのは医療機関や専門家の役割です。気になる様子が続く場合は、自己判断だけで抱え込まず、上記の相談先に早めにつながってください。
モンテチャットは家庭での関わり方を一緒に考えるサービスであり、医療行為・診断の代替ではありません。体調不良をともなう、登校が難しい状態が続くなど気になる様子がある場合は、モンテチャットではなく学校・スクールカウンセラー・医療機関へまず相談してください。
A. 未就学児の分離不安は、入園などの環境変化にともなう一時的な不安として広く見られるものです。就学後も同じような不安が続く場合は、環境変化に加えて友人関係や学習面のプレッシャーなど、学童期特有の要因が重なっていることがあります。環境変化をきっかけに一時的に強まることはありますが、続く期間や強さ、生活への影響が大きい場合は、学校やスクールカウンセラーに相談しましょう。
A. 母子分離不安と不登校は同じ子どもに同時に見られることがありますが、分離不安が必ず不登校につながるわけではありません。両者を安易に結びつけず、まずは子どもが今どんな気持ちで学校生活を送っているかを丁寧に見ていくことが大切です。気になる様子が続く場合は、担任の先生やスクールカウンセラーに早めに共有しましょう。
A. 明確な日数の基準はありませんが、不安な様子が数週間以上続く、朝の腹痛や頭痛などの体調不良をともなう、登校自体が難しくなっている、といったいずれかが見られる場合は、自己判断だけで抱え込まず学校やスクールカウンセラー、小児科・児童精神科などの専門機関に相談することをおすすめします。
A. まずは学校の担任の先生やスクールカウンセラーが身近な相談先です。学校を通じた相談がしにくい場合は、自治体の教育相談窓口や児童相談所、小児科・児童精神科などの医療機関も選択肢になります。家庭での関わり方を一緒に考えたい場合は、モンテチャットのような相談サービスも活用できます。
就学後も母子分離不安が続くと、「発達的に大丈夫なのか」「このまま不登校になってしまうのでは」という、未就学期とは違う種類の不安を感じやすいものです。
学童期の分離不安は、子どもが今の環境や人間関係に一生懸命向き合っている証でもあります。焦らず、家庭と学校の両方から支える気持ちで、お子さまのペースに寄り添っていきましょう。