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「モンテッソーリの教具って、専門店で買わないといけないの?」と思っていませんか。
実は、多くの教具は100円均一や家にある素材で手作りできます。子どもの今の敏感期に合わせて作れるのが手作りの一番の強みで、私たちの園でも「まず手作りで試してみてください」とお伝えすることがよくあります。
この記事では、モンテッソーリ教育歴20年の視点から、0歳・1歳・2歳・3歳の年齢別に、ねらい(敏感期)と具体的な作り方を合わせてご紹介します。将来、年齢ごとの詳しい記事へ深掘りできるよう、各年齢の「入口」として設計しています。
田中 洋子
モンテッソーリ教育では、子どもが「自分の手で操作しながら学ぶ」教具を使います。大切なのは自己訂正の仕掛けがあること。つまり、子どもが操作して間違えたとき、大人に指摘されなくても自分で気づいて直せる構造です。
この自己訂正の仕掛けさえあれば、素材は何でも構いません。段ボール、フェルト、木切れ、豆、砂——身近な素材で十分です。
今の敏感期に合わせて調整できる:穴の大きさ、重さ、難易度を子どもに合わせて変えられる
壊れても気にならない:手作りは修理・作り直しが気軽にできる
コストが低い:100均で揃えられるため、試してみやすい
モンテッソーリ教育の基本をまだご存じでない方は、まず以下の記事をご覧ください。
手作りおもちゃを作る前に必ず確認してほしいのが、子どもの「敏感期」です。
敏感期とは、子どもが特定の能力を習得するために、特に感受性が高まる時期のこと。この時期に合った環境と教具を用意することで、子どもの集中力と学びの質が大きく変わります。
感覚の敏感期(0〜5歳):視覚・触覚・聴覚を刺激するモビール、ガラガラ、素材ボックス
運動の敏感期(0〜4歳):握る・落とす・通す動作を練習するボール落とし、豆移し、ビーズ通し
言語の敏感期(0〜6歳):文字・音の形に触れる砂文字板、絵カード
数の敏感期(4〜6歳に向けた準備):数の量を感じるつむ棒箱、数字カード
敏感期についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
0歳の子どもは視覚が発達途上で、高コントラストの色彩や動くものに強く反応します。「見る・つかむ・振る」という動作が中心で、感覚の敏感期と運動の敏感期が同時に始まっています。
新生児期は黒・白のコントラストがはっきりした円形カードを画用紙で作る。
厚紙に黒のマジックで縞模様や渦巻きを描いて切り抜き、糸で吊るす。
生後2〜3ヶ月からは金・銀などの輝く色のカードや、カラフルな円盤に変える。
ベビーベッドや寝かせる場所の30〜40cm上に吊るし、そっと動かすだけでOK。
風で自然に揺れる動きが赤ちゃんの目を引きつけ、視覚の追跡力を育てます。見つめる時間が長くなってきたら、次の段階のモビールに変えるサインです。
音が出る素材は布製ラトル(中に鈴を入れて完全に縫い留めたもの)が最も安全。市販の布製ラトルを代用するのもよい。
手作りする場合は、容器の封止が絶対に外れない完全封止であること・子どもが口に含んでも窒息しないサイズ(直径4cm以上)を必ず確認する。
乾燥豆・鈴などの小物が入っている場合は、外れた際の誤飲・窒息リスクがあるため、必ず大人が傍についた状態でのみ使用する。
振ると音が出ることに気づいた瞬間の表情を、そっと見守る。
「振れば音が出る」という因果関係を体験することが、0歳後半の認知発達に大切なステップです。
1歳になると「入れる・通す・落とす」という精巧な手の動きへの関心が高まります。繰り返し同じ動作をやり続けるのは、脳の回路を作っている証拠です。飽きずに何度も繰り返す姿を、どうか温かく見守ってください。
タッパーの蓋に子どもの指先サイズの丸穴を開ける(直径3〜4cm)。
穴より少し小さいボール(やわらかいスポンジボール)を数個用意する。
穴にボールを入れると箱の中に落ちる——この一連の動作が何度でも楽しめる。
取り出しやすいよう、タッパーの側面に取り出し口を作っておく。
ボールと穴の大きさの組み合わせを少しずつ変えると、難易度調整が簡単です。
フタ付きのカップや箱のフタに細長いスリット(縦10mm×横3mm程度)を開ける。
10cm程度に切ったストローを数本用意する。
スリットにストローを差し込む動作を繰り返す。
ストローの太さを変えると難易度が上がる。
「細い隙間に細いものを入れる」という精密な動作は、鉛筆を持つ準備にもなります。
白い画用紙に色の違う丸を印刷または描く。
100均のシール(丸シールが使いやすい)を用意する。
丸の上にシールを貼る——ぴったり重なったときの達成感が繰り返しを促す。
1歳代で「ちょうど合わせる」精密さを楽しめるようになるのは、運動の敏感期の育ちのサインです。
2歳は「自分でやりたい!」という自立への意欲が最も高まる時期です。同時に分類・整理への強い関心(秩序の敏感期)が現れます。教具は「一人でやり切れる」難易度に設定することが、2歳に何より大切なポイントです。
小皿2枚と小さなスプーン(子どもの手サイズ)を用意する。
1枚の皿に乾燥豆(ひよこ豆・そら豆など)を10〜15粒入れる。
もう一方の空の皿に、スプーンで1粒ずつ移す。
全部移せたらまた反対に移す——これだけで何度でも集中して取り組める。
スプーンの大きさと豆のサイズを変えるだけで、難易度の異なる教具が作れます。最初は大きな豆・大きなスプーンから始め、子どもの上達に合わせて小さくしていきましょう。
100均のカラーボールと同色のカップまたはトレーを4〜5色分用意する。
色のついたクリップや洗濯ばさみでも代用できる。
混在した色のボールを、同じ色のカップに分類していく。
全て分け終わったら大人が確認せずとも「自分で見てわかる」——これが自己訂正。
子どもが両手でしっかり持てる小さなピッチャー2つを用意する(100均で入手可)。
一方に少量の水を入れ、もう一方の空のカップへ注ぐ練習をする。
こぼしても大丈夫なようにトレーの上で行う。
水の量は最初は少量から始め、上達したら増やす。
こぼすことを怒らず、こぼしたら自分でふきんで拭く練習も合わせて提示しましょう。この「やって・失敗して・直す」サイクル全体が2歳の大切な学びです。
2歳の教具について、市販品も含めたさらに詳しい情報は以下の記事もご覧ください。
3歳になると「なぜ?」「これは何?」という知的好奇心が爆発します。数の量を体感で理解しようとする「数の敏感期」の準備も始まり、文字の形に興味を持つ子も増えます。
厚紙またはボール紙に数字「0〜9」を大きく書く(縦15cm程度)。
木工用ボンドで数字の輪郭をなぞり、乾く前に砂か塩を振りかける。
乾いたら余分な砂を払い、数字の形がざらざらになった触覚教具の完成。
子どもが人差し指と中指の2本でなぞりながら「いち、に、さん...」と声に出す。
書く前の準備として、数字の形を指で「感じる」体験が記憶定着を助けます。モンテッソーリでは「現物→数詞→数字」の順番で丁寧に進めていきます。
段ボールで横長の箱を作り、縦の仕切りで0〜9の10マスに区切る。
各マスに0〜9の数字を書いたラベルを貼る。
100均の木製スティック(アイスの棒でも可)を45本用意する。
「0の箱は空っぽ」「1の箱に1本」...「9の箱に9本」と輪ゴムでまとめて置く。
45本のスティックを全部使い切ったとき、子どもは「ぴったり!」と満足感を得ます。数がバラバラの量ではなく「1が集まったもの」として理解される瞬間です。
砂数字板と同じ要領で、ひらがな・アルファベットの文字を作る。
よく使う文字(自分の名前の文字)から始めると意欲が高い。
なぞりながら音を声に出すことで、触覚と聴覚が連動して記憶に残りやすい。
3歳は言語の敏感期の最盛期です。文字を「読む・書く」ではなく「触れる・感じる」入口として砂文字板は最適な教具です。
何を作ればいいかわかっても、最初の一歩が踏み出しにくいですよね。以下の3ステップで始めてみてください。
1週間ほど、子どもが繰り返す動作を記録してみてください。「引き出しを何度も開け閉めしている」「豆を拾い集めている」「ビニール袋をクシャクシャにしている」——これらは全て、敏感期のサインです。
観察した動作を、より安全に・より集中できる形に変換します。「引き出しの開け閉め」→「ふた付き箱への入れ替え」のように、同じ動作の質を上げる教具を作りましょう。
教具を渡すときは、大人がゆっくりお手本を見せてから子どもに渡します。取り組み始めたら、声をかけず手を出さずに見守ります。「できた!」という声が上がったとき、初めてそっと笑顔で応えてください。
おうちモンテの環境づくりについて詳しく知りたい方は以下もご覧ください。
A. 100円均一の素材(タッパー・木製スティック・ストロー・フェルト・豆など)や、家にある段ボール・空き箱・洗濯ばさみなどで作れるものがほとんどです。高価な材料は必要なく、子どもの今の興味に合わせて手軽に準備できることが手作りの一番の魅力です。
A. どちらも有効です。手作り教具は子どもの今の敏感期に合わせて細かく調整できるのが強みで、市販教具は品質と安全性が安定しています。まず手作りで試し、継続して使うものや難易度が上がるものは市販に移行するのがコストパフォーマンス的にもおすすめです。
A. まず難易度が合っているか確認しましょう。複雑すぎると集中が続かず、簡単すぎると飽きます。大人がゆっくりお手本を見せてから渡すと取り組みやすくなります。また提示のタイミング(午前中の機嫌のよい時間帯)も重要です。
A. 0歳から始められます。新生児期はモビール(視覚刺激)、3〜4ヶ月頃からガラガラ(握る・振る)、6ヶ月ごろから物の落とし入れ(ボールドロップ)など、月齢に合わせて段階的に提示するのがモンテッソーリ的なアプローチです。
A. モンテッソーリの手作りおもちゃは「自己訂正の仕掛け(子どもが自分で間違いに気づける構造)」があることが特徴です。単に刺激を与えるだけでなく、集中力・自立心・問題解決力を段階的に育てる設計になっています。
A. ざらざら紙(サンドペーパー)に数字を書いて切り抜く「砂数字板」が代表的です。子どもが指でなぞることで数字の形を触覚で学びます。また、段ボールの箱に0〜9の仕切りを作り、木製スティックをその数だけ置いていく「つむ棒箱」も3歳以降の数量理解に効果的です。
手作りおもちゃの一番の魅力は、子どもの「今」に合わせられることです。高価な教具を揃えなくても、敏感期のサインを見逃さず、身近な材料で「自己訂正できる仕掛け」を作ることが、モンテッソーリ的な手作り教具の本質です。
31問・約5分の無料診断で5タイプの気質バランスを把握。タイプ別の声かけ・今日からできる関わり方を結果ページでお届け。登録不要。

年齢・敏感期のサイン・家にある素材を伝えると、今すぐ作れる教具のアイデアをプロが提案します。「〇歳、こんな動きを繰り返している」という情報だけでOKです。
