読み聞かせの効果とは?モンテッソーリ式の絵本選びと関わり方

読み聞かせの効果とは?モンテッソーリ式の絵本選びと関わり方

はじめに

「読み聞かせは子どもに良いらしいけれど、具体的にどんな効果があるの?」「毎日忙しくて続けられるか自信がない」── そう感じたことはありませんか。

読み聞かせには、語彙の育ちや親子の関わりの面でよい影響が期待できるという研究報告が複数あります。ただし、絵本を読んだからといって特定の能力が必ず伸びると断定できるものではなく、効果の現れ方には個人差があります。

この記事では、読み聞かせの効果について分かっていることを整理したうえで、モンテッソーリ教育の視点から、絵本の選び方や関わり方のポイントを解説します。「何を読むか」だけでなく「どう関わるか」を一緒に見直してみましょう。

先生
この記事の要点
  • 読み聞かせは語彙や親子の関わりによい影響が期待できるとされるが、効果を断定・保証するものではない
  • モンテッソーリ教育では「現実に即した絵本」を選び、ファンタジー中心の絵本は成長段階に応じて扱いを分ける

  • 絵本は大人が決めず、子ども自身に選ばせることを大切にする
  • 同じ絵本の繰り返しをせがまれても、それは自然な学びのサイン
  • 「何を読むか」より「どう関わるか」(急がない・対話する・環境を整える)が土台になる
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筆者のプロフィール

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田中 洋子

  • みらいキッズモンテプリスクール 園長
  • モンテッソーリ教育幼稚園/保育園勤続 20 年
  • 日本モンテッソーリ協会ディプロマ取得
  • 幼稚園教諭免許
  • 保育士資格

目次

読み聞かせの効果とは?

読み聞かせとは、大人が子どもに絵本や物語を声に出して読んで聞かせる関わりのことです。日々の会話だけでは出てこない言葉や表現に触れる機会になり、語彙や言葉への感覚を育む土台になると考えられています。

この記事では、そうした一般的な効果の解説に加えて、モンテッソーリ教育の視点から読み聞かせを捉え直します。モンテッソーリ教育は、子どもが自分のペースで環境と関わりながら育つ力を信じる教育法で、絵本選びや読み方にも独自の考え方があります。詳しい全体像は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

読み聞かせがなぜ大切とされているのか

読み聞かせが育児の中で重要とされる背景には、主に3つの理由があります。効果を保証するものではありませんが、期待されている影響を整理します。

読み聞かせが大切とされる理由
  1. 語彙や言葉への感覚を育む機会になる
  2. 親子で同じ物語を共有する、落ち着いた時間になる
  3. 静かに耳を傾け、想像する経験を積み重ねられる

語彙や言葉への感覚を育む機会になる

読み聞かせでは、日常会話ではあまり使わない言葉や言い回しに触れられます。研究の中には、絵本に継続的に触れてきた子どもの方が語彙の伸びが大きかったと報告するものもあります。ただし、こうした結果は家庭環境や関わり方など他の要因にも左右されるため、「絵本さえ読めば語彙が伸びる」と単純化せず、日々の会話と合わせた関わりの一部として捉えるのが現実的です。

親子で同じ物語を共有する、落ち着いた時間になる

読み聞かせの時間は、親子で同じものを見つめ、同じ物語を共有する時間でもあります。抱っこや膝の上で絵本に向き合う経験そのものが、安心できる関わりの積み重ねになると考えられています。

静かに耳を傾け、想像する経験を積み重ねられる

絵本を最後まで聞く、絵から状況を想像する、といった経験は、モンテッソーリ教育でいう「集中する経験」の一つでもあります。何かに没頭する時間を日常的に持てることは、それ自体が価値のある経験です。「集中現象」について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

うちの子に合う絵本の関わり方を知りたい方へ

年齢や興味に合わせた絵本の選び方や読み聞かせの関わり方を、モンテチャットで家庭に合わせて相談できます。

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モンテッソーリ流・絵本選びの考え方

モンテッソーリ教育では、絵本の選び方にいくつかの特徴的な考え方があります。一般的な絵本選びとの違いを知っておくと、日々の一冊選びの参考になります。

モンテッソーリ流の絵本選びのポイント
  1. 現実に即した内容の絵本を優先する
  2. 年齢や興味に応じて、擬人化やファンタジーとの付き合い方を変える
  3. 繰り返しの多い、シンプルな構成の絵本を大切にする

現実に即した内容の絵本を優先する

モンテッソーリ教育では、特に幼い時期は「現実に起こりうること」を描いた絵本を優先します。動物が人間の言葉を話す、乗り物に顔があるといったファンタジー要素は、まだ現実と空想の区別がつきにくい時期の子どもを混乱させることがあると考えられているためです。図鑑的な絵本や、身の回りの生活を描いた絵本は、この時期の子どもにとって理解しやすい題材になります。

年齢や興味に応じて、擬人化やファンタジーとの付き合い方を変える

現実に即した絵本を大切にする考え方は、ファンタジーそのものを否定するものではありません。子どもが成長し、現実と空想を自分なりに区別できるようになってくれば、物語やファンタジーを楽しむ余地も広がっていきます。年齢や子どもの様子を見ながら、絵本の幅を少しずつ広げていくとよいでしょう。

繰り返しの多い、シンプルな構成の絵本を大切にする

「わんわん」「ぶーぶー」のように同じ言葉や場面が繰り返される絵本は、特に低年齢の子どもに好まれる傾向があります。繰り返しの構造は、子どもが「次に何が来るか分かる」という見通しを持ちやすく、安心感にもつながります。

モンテッソーリ流・読み聞かせの関わり方

絵本選びだけでなく、どう読むか・どう関わるかもモンテッソーリ教育で大切にされているポイントです。

読み聞かせの関わり方のポイント
  1. 子ども自身に絵本を選ばせる
  2. 同じ絵本を繰り返しせがまれたら、つき合う
  3. 早く読み進めず、子どものペースに合わせる
  4. 絵本を手に取りやすい環境を整える

子ども自身に絵本を選ばせる

大人が「良い絵本」を選んで与えるだけでなく、子ども自身に選ばせる機会を大切にします。自分で選んだという経験は、絵本への興味や主体性を育てる土台になります。棚に並べる絵本の中から、今日読みたい一冊を子ども自身に決めてもらいましょう。

同じ絵本を繰り返しせがまれたら、つき合う

同じ絵本を何度も持ってくるのは、飽きているのではなく、「わかった」という感覚を確かめている時間だと考えられています。大人にとっては単調に感じても、子どもにとっては大切な繰り返しです。無理に別の絵本へ誘導せず、リクエストに応じてあげましょう。

では、いつ終わりにするかも気になるところです。モンテッソーリ教育では、一つの活動には自然な区切り(サイクル)があり、その区切りは大人ではなく子ども自身が決めることを大切にします。読み終えて絵本を閉じる、満足した様子で自分から絵本を置く、他の遊びに関心が移る──こうした様子が見られたら、それがその子にとっての「終わり」のタイミングです。大人の側から「もうおしまい」と時間で区切って中断させるのではなく、子どもが自分で満足するところまでつき合うことが基本の考え方になります。

とはいえ、就寝時間など現実の生活リズムの中で、際限なく応じ続けるのが難しい場面もあるでしょう。その場合は、読み始める前や区切りのよいページで「あと1回読んだら、今日はおしまいにしようね」とあらかじめ伝えておくと、子どもも見通しを持ちやすくなります。大人の都合で急に打ち切るのではなく、事前に見通しを共有したうえで区切りを迎えられるようにする、という工夫です。

早く読み進めず、子どものペースに合わせる

早口で次々とページをめくると、子どもが絵をじっくり見たり、内容を想像したりする時間が奪われてしまいます。1ページ読んだら少し間を取り、子どもの反応や指差しを待つくらいのペースを意識しましょう。

絵本を手に取りやすい環境を整える

モンテッソーリ教育では「環境を整える」ことを重視します。絵本を大人の目線の高い棚にしまうのではなく、子どもの手が届く低い棚に表紙が見える形で並べておくと、子どもが自分から絵本を手に取りやすくなります。おうちでの環境づくり全般について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 読み聞かせは何歳から始めるといいですか?

A. 明確な開始年齢が決まっているわけではありません。モンテッソーリ教育では言語の敏感期は0歳から始まると考えられており、新生児期から声をかけたり絵本のページをめくって見せたりする関わりから始めても問題ありません。

Q. 読み聞かせの効果はいつ頃から実感できますか?

A. 個人差が大きく、時期を保証できるものではありません。語彙や言葉への反応は日々の積み重ねの中で少しずつ変化していくものと捉え、短期間での変化を求めすぎないことが大切です。

Q. 同じ絵本ばかり読みたがるのは問題ですか?

A. 問題ではありません。モンテッソーリ教育では、同じ活動を繰り返したいという欲求は成長の自然なサインだと考えられています。子どもが内容を「わかった」と確かめている時間として、繰り返しにつき合うことがすすめられます。

Q. 忙しくて毎日読み聞かせの時間が取れません。どうすればいいですか?

A. 毎日長時間行う必要はありません。短い時間でも、子どものペースに合わせて向き合う関わりの質を大切にし、無理のない範囲で続けることを優先しましょう。

免責事項

本記事は一般的な子育て・モンテッソーリ教育の情報提供を目的としており、特定の発達効果を保証するものではありません。読み聞かせの効果や子どもの言葉の発達には個人差があります。言葉の発達について気になることがある場合は、自治体の乳幼児健診や、かかりつけの小児科・言語聴覚士などの専門機関にご相談ください。

まとめ

読み聞かせには、語彙や言葉への感覚、親子の関わりによい影響が期待できるという報告がありますが、効果を断定・保証するものではなく、現れ方にも個人差があります。

モンテッソーリ教育の視点では、現実に即した絵本を選ぶこと子ども自身に選ばせること繰り返しを尊重すること、そして読み方より環境と関わり方を大切にすることがポイントです。「特別なことをしなければ」と気負わず、今日手に取れる一冊から始めてみましょう。

読み聞かせのポイント
  1. 効果を断定せず、語彙や親子の関わりへのよい影響が期待できる関わりとして続ける
  2. 現実に即した絵本を優先し、年齢に応じてファンタジーとの付き合い方を広げる
  3. 絵本は子ども自身に選ばせ、繰り返しのリクエストにはつき合う
  4. 読むペースを子どもに合わせ、絵本を手に取りやすい環境を整える
絵本選びや関わり方を、わが家に合わせて考えたい方へ

子どもの年齢や興味に合わせた絵本の選び方、読み聞かせの関わり方を、モンテチャットで具体的に相談できます。

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