モンテチャットでは、プロが今日あった出来事をもとに、明日の対応のヒントを一緒に考えます。「今日もしんどかった」その一言でOK。
「また始まった…」と思いながらも、どうしたらいいかわからない。3歳の癇癪に毎日疲弊しているお父さん・お母さんも多いのではないでしょうか。
床に転がって大泣き、物を投げる、何を言っても聞かない――そんなとき、叱っても宥めても通じないように感じて、途方に暮れてしまいますよね。
この記事では、3歳の癇癪がなぜ起きるのかを発達の視点から整理し、モンテッソーリ教育に基づいた具体的な対処法を5つご紹介します。「なんでこうなるの?」が腑に落ちると、関わり方がぐっと楽になります。
田中 洋子
モンテッソーリ教育は、イタリアの医師マリア・モンテッソーリが100年以上前に開発した教育法です。世界140カ国以上に普及しており、「子どもは自分で育つ力を持っている」という考えを中心に置いています。
大人が教え込むのではなく、子どもが自分のペースで選び、試し、学べる環境を整えることを大切にします。GAFA創業者や将棋の藤井聡太さんも受けた教育として知られています。
癇癪への対応においても、この「子どもの意志を尊重する」という視点が大きなヒントになります。
癇癪の対処法を知る前に、まず「なぜ起きるのか」を理解することが大切です。原因がわかると、子どもへの見方が変わります。
3歳は「自分でやりたい」「こうしたい」という自我が急速に育つ時期です。ところが、感情を制御する脳(前頭前野)はまだ未発達で、強い感情をうまく抑える機能が追いついていません。
やりたい気持ちとできない現実のギャップが大きすぎて、爆発してしまうのが癇癪です。大人でいうと、極度のストレス状態で感情の蓋が吹き飛ぶようなイメージです。
モンテッソーリ教育では、2〜3歳頃に「秩序の敏感期」という時期があると考えます。いつもと同じ順番、同じ場所、同じやり方に強くこだわる時期です。
「いつもパパが持ってくれる傘を今日はママが持った」「いつも座る椅子が違う席になっていた」——こんなささいな変化が、3歳にとっては秩序が乱れる大きな出来事になります。大人から見ると理解しがたい癇癪の引き金の多くは、この秩序感から来ています。
3歳は言葉が急に増える時期ですが、感じていることを正確に言語化する力はまだ追いついていません。「悲しい」「悔しい」「もうちょっとやりたかった」という複雑な感情を言葉にできないもどかしさが、癇癪という形で外に出てきます。
4〜5歳になって言葉でうまく表現できるようになると、癇癪が自然に落ち着いてくることが多いのはこのためです。
モンテチャットでは、プロが今日あった出来事をもとに、明日の対応のヒントを一緒に考えます。「今日もしんどかった」その一言でOK。

原因がわかったところで、具体的な対処法を見ていきましょう。すぐに実践できるものを5つ選びました。
癇癪が起きたとき、最初にすることは「気持ちの代弁」です。
「〜したかったんだね」「悔しかったね」「もうちょっとやりたかったんだね」——子どもが感じていることを言語化してあげるだけで、感情の嵐が少し和らぎます。
ここで大切なのは、「でも〜だから」と続けないこと。代弁した後はいったん止まって、子どもが気持ちを受け取るまで待ちましょう。
どんな状況で癇癪が起きやすいかをメモしておくと、パターンが見えてきます。
引き金がわかれば、事前に対策を打てます。「もうすぐ公園から出るよ、あと2回滑り台したらおしまいにしよう」と予告することで、子どもの心の準備が整い、癇癪が起きにくくなります。
「ダメ」「やめなさい」だけでは子どもの自我欲求が行き場を失い、癇癪が悪化します。代わりに、2〜3の選択肢を提示して子ども自身に選ばせましょう。
「この服とあの服、どっちを着る?」「靴下は自分で履く?それともお母さんが手伝う?」
自分で決めた、という感覚が自己決定の満足感につながり、癇癪のエネルギーが別の方向へ向かいます。選択肢はどれを選ばれても困らないものを用意するのがコツです。
癇癪の真っ最中に「なんで泣いてるの?」「落ち着いて」「さっきも言ったでしょ」と声をかけても、脳が感情のモードに入っているため言葉は届きません。
まず安全を確保して、静かに近くにいましょう。「ここにいるよ」という存在だけで十分です。嵐が過ぎてから、短く「〜したかったんだね」と一言だけ。長い説明は落ち着いた後でも不要なことがほとんどです。
モンテッソーリ教育の根幹は「環境づくり」です。癇癪が起きにくい環境を整えることも、立派な対処法のひとつです。
良かれと思ってやりがちだけれど、実は癇癪を悪化・長引かせる対応があります。
NG1:癇癪中に理屈で説得しようとする 脳が感情モードのとき、論理は届きません。「なんでそうなるの」「さっきも言ったでしょ」は逆効果です。
NG2:泣きやませようとご褒美を出す 「お菓子あげるから泣きやんで」は、「泣けば得られる」という学習になってしまいます。癇癪の頻度が上がる可能性があります。
NG3:大人も感情的になる 子どもの感情の嵐に引き込まれて叱りつけると、子どもはさらに混乱します。親が落ち着いていること自体が、子どもの安全基地になります。
NG4:完全に無視する 放置はNG。「ここにいるよ」という存在感を示しながら、口出しせずに待つのが正解です。
A. 多くの場合、4〜5歳頃に言語能力が発達してくると自然に落ち着いてきます。感情を言葉で表現できるようになると、癇癪の頻度と強度が下がります。ただし個人差が大きく、環境や関わり方によって変わります。
A. イヤイヤ期は主に1歳半〜3歳の「自我の芽生え」による拒否行動の時期です。癇癪はその表れ方のひとつで、感情が爆発して泣きわめいたり床に転がったりする状態を指します。3歳になるとイヤイヤ期は落ち着いてくる一方、言語発達と感情のギャップから癇癪が続くことがあります。
A. まず安全な場所を確保して、落ち着くまで静かに待ちます。「悔しかったね」「やりたかったんだね」と気持ちを代弁するだけで十分です。説教や説得は癇癪中には効果がなく、むしろ長引かせます。落ち着いた後に短く話しましょう。
A. 通常の癇癪は原因となる出来事があり、数分〜15分程度で落ち着きます。癇癪の頻度が非常に高い、1時間以上続く、自傷行為を伴う、日常生活への影響が大きい場合は、小児科や発達相談機関に相談することをおすすめします。
A. まず人の少ない安全な場所に移動します。「〜したかったんだね」と共感し、落ち着いてから「〜にしようか、それとも〜にしようか」と選択肢を提示します。外出前に「次はどこに行く」と予定を伝えておくと、癇癪を予防しやすくなります。
⚠️ 免責事項 本記事の情報は一般的な教育・育児情報の提供を目的としており、医療アドバイスではありません。 お子様の発達や癇癪の程度に関するご心配は、必ず小児科医や発達の専門家にご相談ください。
3歳の癇癪は、自我の芽生え・秩序感へのこだわり・言語発達のギャップが重なって起きる、この時期ならではの発達サインです。「困った行動」ではなく「成長の途中にある感情の爆発」と捉えると、関わり方が変わってきます。
毎日の癇癪に疲れているお父さん・お母さん、本当によく頑張っています。正解がわからなくて当然です。子どもも感情のコントロールを一生懸命練習しているところ。一緒に、少しずつ乗り越えていきましょう。

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