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思い通りにならないと癇癪…年齢別の原因と声かけ5選|モンテッソーリ流対処法

はじめに

「また泣いてる…」「なんでそんなことで?」——思い通りにならないと癇癪を起こす子どもを前に、毎日途方に暮れているお父さん・お母さんも多いのではないでしょうか。

着替えの順番が違う、おもちゃが取れなかった、ゲームに負けた——大人にとってはささいな出来事が、子どもにとっては感情が爆発するほど大きな出来事になります。

これは「わがまま」ではありません。子どもが自我を育てている、発達のまっただ中にいるサインです。この記事では、思い通りにならないと癇癪が起きる理由を年齢別に整理し、モンテッソーリ教育に基づいた具体的な対処法を5つご紹介します。

先生
この記事の要点
  • 癇癪は自我の発達と感情コントロールの未熟さから起きる自然な発達サイン
  • 「選択肢を与える」モンテッソーリ流のアプローチが、癇癪の予防と対処に効果的
  • 年齢ごとの特徴を理解すると、その時期に合った声かけができるようになる
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筆者のプロフィール

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田中 洋子

  • みらいキッズモンテプリスクール 園長
  • モンテッソーリ教育幼稚園/保育園勤続 20 年
  • 日本モンテッソーリ協会ディプロマ取得
  • 幼稚園教諭免許
  • 保育士資格

目次

「思い通りにならない」と癇癪が起きるのはなぜ?

子どもが思い通りにならないと泣く・怒る背景には、発達的な理由があります。「困った行動」ではなく、成長の途中にある子どもの必死のコミュニケーションと捉えると、見方が変わります。

自我の発達と感情コントロールの未熟さ

2〜5歳は「自分でやりたい」「こうしたい」という自我が急速に育つ時期です。一方で、感情を制御する脳(前頭前野)はまだ発達途中で、強い感情をうまく抑える機能が追いついていません。

やりたい気持ちとできない現実のギャップが大きすぎて、感情が爆発してしまう——それが癇癪です。

言語発達のギャップ(言いたいことが言えない)

「悔しい」「もうちょっとやりたかった」「なんで私じゃないの?」という複雑な感情を、言葉にする力がまだ育っていません。伝えたいのに伝えられないもどかしさが、泣く・叫ぶという形で外に出てきます。

モンテッソーリが言う「秩序の敏感期」

モンテッソーリ教育では、2〜3歳頃に「秩序の敏感期」という時期があると考えます。いつもと同じ順番・場所・やり方に強くこだわる時期です。「いつも左から靴を履くのに今日は右からだった」というような、大人には理解しがたい癇癪の引き金が、この秩序感から来ています。

思い通りにならないことが「成長の機会」になる理由

癇癪は確かに大変ですが、思い通りにならない経験は子どもが感情のコントロールを学ぶ練習の場でもあります。大人が適切に関わることで、「うまくいかないこともある」「気持ちを切り替えられる」という力が少しずつ育まれていきます。

「なんでこんなに泣くの?」と悩んでいませんか。

モンテチャットでは、今日あった出来事をもとに、明日の対応のヒントを一緒に考えます。「今日もしんどかった」その一言でOK。

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年齢別の特徴と対応のポイント

同じ「思い通りにならない癇癪」でも、年齢によって原因と対応のコツが異なります。

2歳頃(イヤイヤ期):自分でやりたい気持ちの爆発

「自分でやる!」という気持ちが芽生え始める時期。でも言葉で「やりたい」とうまく伝えられないため、泣くか怒るかしか表現手段がありません。

対応のポイント: 「自分でやってみたかったんだね」と気持ちを代弁した後、「じゃあここだけ自分でやってみる?」と小さな選択肢を提示しましょう。「全部やらせる」のではなく「一部を任せる」だけで、子どもの満足感がぐっと変わります。

3歳頃:「こうあるべき」ルールへのこだわり(秩序感)

秩序の敏感期のピーク。「いつもと違う」「順番が違う」「ルールが守られなかった」と感じると、感情が爆発しやすくなります。

対応のポイント: 変更がある場合は事前に「今日は〇〇が違うよ」と予告するだけで、心の準備ができて癇癪を予防できます。癇癪が起きてしまったら、「いつもと違ったからびっくりしたんだね」と秩序感を尊重した代弁を。

4〜5歳頃:「負けたくない・一番になりたい」自己主張

「勝ちたい」「一番になりたい」という自己主張が強くなる時期。ゲームに負けた、友達に先を越された、褒められなかった——こうした場面で強い感情が出てきます。

対応のポイント: 「悔しかったんだね、それだけ頑張ってたんだよ」と努力や気持ちを認める声かけを。結果ではなく過程を肯定することで、次への意欲につながります。

「選択肢を与える」モンテッソーリ流対処法5選

モンテッソーリ教育の核心は「子どもの自己決定を尊重する」こと。この視点から、思い通りにならない場面でも子どもが納得しやすくなる対処法を5つご紹介します。

対処法1:「どっちにする?」2択を提示する

「ダメ」「やめなさい」だけでは、子どもの自我欲求が行き場を失います。代わりに2択を提示して、子ども自身に選ばせましょう。

「ジュースにする?それともお水にする?」「先にお片付けする?それともお着替えを先にする?」

どちらを選ばれても困らない選択肢を用意するのがコツ。「自分で決めた」という感覚が、子どもの納得感に直結します。

対処法2:感情を言葉にしてあげる(感情の代弁)

癇癪が起きたとき、最初にすることは「気持ちの代弁」です。

「〜したかったんだね」「悔しかったね」「もうちょっとやりたかったんだね」——子どもが感じていることを言語化してあげるだけで、感情の嵐が少し和らぎます。

代弁した後は「でも〜だから」と続けず、いったん止まって待ちましょう。子どもが「わかってもらえた」と感じることが大切です。

対処法3:「少し待つ」ためのルーティンをつくる

「あと5分でおしまいだよ」「タイマーが鳴ったら次にしようね」と区切りを伝えることで、切り替えがしやすくなります。

急な「もう終わり」は子どもにとって大きなストレス。事前告知のルーティンを習慣にするだけで、癇癪の頻度が下がります。

対処法4:達成感の体験を増やす(小さな成功体験)

「うまくいかない」ことへの耐性をつけるには、「うまくいった」体験の積み重ねが必要です。

自分でできた、選んだ、やり遂げた——小さな成功体験を日常の中に増やしましょう。服を自分でたたむ、コップを自分で洗う、植物に水をやる。こうした「自分でできること」が自己肯定感の土台になります。

対処法5:「うまくいかない」を一緒に認める

「こぼしちゃったね、一緒に拭こう」「負けちゃったね、悔しかったね。次はどうしようか」——失敗や負けを一緒に受け止める関わりが、子どもに「うまくいかないことも大丈夫」という安心感を育てます。

大人が失敗を恐れずに認める姿を見せることも、子どもの感情コントロールの学びになります。

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やってはいけないNG対応

良かれと思ってやりがちだけれど、実は癇癪を悪化・長引かせる対応があります。

NG1:「わがまま!」と否定する 子どもの感情そのものを否定されると、「自分の気持ちは悪いことなんだ」という学習につながります。「わがまま」は感情ではなく行動を指す言葉として使いましょう。

NG2:癇癪を無視して放置する 完全な無視は子どもに孤独感を与えます。「落ち着くまで待っているよ」と近くにいながら、口出しせず待つのが正解です。

NG3:「もういい!」と突き放す 大人も感情的になってしまう場面ですが、突き放すと子どもはさらに不安になります。「少し休んでいいよ、ここにいるから」と穏やかに伝えましょう。

NG4:全部譲ってしまう(毎回要求に応じる) 泣けば叶えてもらえると学習すると、癇癪の頻度が上がります。「できることとできないこと」の境界を穏やかに、でも一貫して伝えましょう。

よくある質問

Q. 思い通りにならないと癇癪を起こすのはいつまで続きますか?

A. 多くの場合、5〜6歳頃に言語力と感情コントロール力が発達してくると自然に落ち着いてきます。感情を言葉で表現できるようになると、癇癪の頻度と強度が下がります。ただし個人差が大きいため、焦らず子どものペースに合わせることが大切です。

Q. 癇癪のとき無視していいですか?

A. 完全な無視はNGです。安全を確認しながら「落ち着くまで待っているよ」と穏やかに伝え、近くにいてあげましょう。激しい状態のときに説得しようとするよりも、感情が静まるのを待つほうが効果的です。

Q. 子どもが泣き止まないときどうすればいいですか?

A. まず安全な場所を確保して、静かに寄り添います。「〜したかったんだね」「悔しかったんだね」と気持ちを代弁するだけで、子どもの感情の嵐が少し和らぎます。長い説明や叱責は逆効果です。落ち着いた後に短く話しましょう。

Q. モンテッソーリ教育で癇癪は減りますか?

A. モンテッソーリ教育の「選択肢を与える」「環境を整える」「子どもの自己決定を尊重する」というアプローチは、癇癪の予防と対処の両面に効果的です。子どもが「自分で決めた」という満足感を持てる環境を整えることで、癇癪の頻度が下がりやすくなります。

⚠️ 免責事項 本記事の情報は一般的な教育・育児情報の提供を目的としており、医療アドバイスではありません。 お子様の発達や癇癪の程度に関するご心配は、必ず小児科医や発達の専門家にご相談ください。

まとめ

思い通りにならないと癇癪を起こすのは、子どもが自我を育て、感情コントロールを学んでいる発達のサインです。「わがまま」ではなく、「感情の練習中」と捉えると、関わり方が変わってきます。

今日から取り入れたいポイント
  1. 「〜したかったんだね」と気持ちを代弁する——まずこれだけで十分
  2. 「どっちにする?」と2択を提示して、子どもの自己決定を尊重する
  3. 年齢別の特徴(イヤイヤ期・秩序感・自己主張)を理解して対応を変える
  4. NG対応(否定・放置・突き放し・全譲り)を避け、穏やかに一貫して関わる

毎日の癇癪に疲れているお父さん・お母さん、本当によく頑張っています。子どもも、感情のコントロールを一生懸命練習しているところ。一緒に、少しずつ乗り越えていきましょう。

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