少人数の保育園のメリット・デメリットは?小規模保育との違いと3歳の壁

少人数の保育園のメリット・デメリットは?小規模保育との違いと3歳の壁

プロモーションを含みます

はじめに

「少人数の保育園なら、うちの子に目が届きやすそう」——そう考えて園を比べている保護者の方は多いと思います。一方で、調べていくと「小規模保育」という言葉も出てきて、少人数の保育園とどう違うのか、3歳になったら転園が必要なのか、混乱しやすいところです。

この記事では、単に少人数で運営している「少人数の保育園」と、制度上の「小規模保育事業」を分けて整理したうえで、少人数環境のメリット・デメリットを、大規模園との「勝ち負け」ではなく環境の違いとして比べていきます。「3歳の壁」が何を指すのかも、制度面から確認します。

なお、この記事を書いている当園(みらいキッズモンテプリスクール)も、定員14名の少人数で運営する認可外保育施設です。良い面だけでなく、少人数ならではの限界も含めてお伝えします。

先生
この記事の要点
  • 「少人数の保育園」と制度上の「小規模保育事業」は別もの。混同すると比較の軸がずれる
  • 少人数には気づきやすさ・落ち着きやすさという強みと、友達の選択肢・設備や行事の規模という限界がある
  • 少人数だから必ず手厚い・質が高いとは言えず、見学で関わり方を見ることが大切
  • 3歳の壁は0〜2歳中心の施設を出るときの受け皿の問題。3歳以降も続けられる制度・施設もある

筆者のプロフィール

講師の写真

田中 洋子

  • みらいキッズモンテプリスクール 園長
  • モンテッソーリ教育幼稚園/保育園勤続 20 年
  • 日本モンテッソーリ協会ディプロマ取得
  • 幼稚園教諭免許
  • 保育士資格
LINE公式アカウント 友だち追加 - 困りごとが楽になるヒント無料プレゼント
LINE公式アカウント 友だち追加 - 困りごとが楽になるヒント無料プレゼント

目次

少人数の保育園と小規模保育の違い

少人数の園を比べる最初の基準は、その園が「制度上どこに位置づいているか」です。名前が似ていても、中身は別のものを指していることがあります。

2つの言葉の違い
  1. 少人数の保育園:人数の少なさを表す一般的な呼び方で、制度上の区分ではない
  2. 小規模保育事業:定員6〜19人の認可の地域型保育事業で、制度上の区分

少人数の保育園は制度上の区分ではない

「少人数の保育園」「少人数制の保育園」は、定員や1クラスの人数が少ない園を指す一般的な言い方です。認可外保育施設の中にも、認可の枠組みの園の中にも、少人数で運営している園があります。制度上の名称ではないため、認可か認可外か、何歳まで在園できるかは園ごとに確認が必要です。

小規模保育事業は認可の制度区分

小規模保育事業は、子ども・子育て支援新制度に位置づけられた認可事業(地域型保育事業の一つ)で、定員は6〜19人です。0〜2歳を対象とするものが中心で、卒園後の受け皿として連携施設を設ける仕組みがあります。利用は自治体を通じた申し込みが基本です。

なお、3〜5歳児のみを対象とする小規模保育事業も、児童福祉法の改正により制度上認められる形になっています。「小規模保育=0〜2歳だけ」と単純に考えず、自治体や園の最新情報を確認しましょう。

認可外保育園の全体像は、次の記事で整理しています。

少人数環境のメリット・デメリット

ここからは、少人数の環境と大規模園の環境を比べます。どちらが優れているかではなく、家庭が何を大切にしたいかによって合う・合わないが変わる、という前提で見てください。

少人数と大規模の環境差
  1. 子どもの変化への気づきやすさ:少人数は目が届きやすく、大規模は職員間の連携で補う
  2. 異年齢のかかわり:少人数は年齢が混ざりやすく、大規模は同年齢集団が中心になりやすい
  3. 友達の選択肢:少人数は限られ、大規模は広い
  4. 設備・行事の規模:少人数は小さくなりやすく、大規模は大きな行事や設備を持ちやすい

子どもの変化に気づきやすいか

子どもの人数が少ないと、体調や表情、その日の様子の小さな変化に気づきやすい傾向があります。家庭への共有も細やかにしやすい面があります。当園でも、連絡帳で保護者の方から「いつも様子をよく見てくれているので、安心して預けられる」という声をいただくことがあります。ただし、これは「人数の少なさ」だけで決まるものではなく、保育士の配置や関わり方によって変わります。大規模園でも、担任間の情報共有を丁寧に行い、一人ひとりを見ている園はあります。

異年齢でかかわる機会があるか

少人数の園では、年齢ごとにクラスを分けきれず、異年齢で一緒に過ごす時間が長くなることがあります。年上の子の姿を見て真似をしたり、年下の子に関わったりする経験は、少人数ならではの良さです。当園でも、年上の子が制作の見本を置くと年下の子がそれを見て真似て作ったり、年上の子が年下の子を気遣って手をつないで歩いたり、「小さい子も食べるから小さく切ろう」と声をかけたりする場面があります。年上の子は手本になることで、年下の子は憧れを持つことで、お互いに育ち合っています。一方で、同い年の子と過ごす時間が少なく感じる場合もあります。

友達の選択肢は広いか

デメリットとして最も分かりやすいのが、友達の選択肢です。少人数の場合、気の合う子が同じ園にいるとは限らず、関係がうまくいかないときに距離を置く余地が小さくなります。大規模園は多様な友達に出会える反面、人数の多さに疲れる子もいます。

設備や行事の規模はどうか

園庭や大きな遊具、運動会のような規模の大きな行事は、少人数の園では持ちにくい傾向があります。当園にも園庭はなく、近くの公園を使って体を動かしています。設備の大きさより、日々の過ごし方を重視するご家庭には合いやすく、大きな行事や設備を重視するご家庭には物足りない場合があります。

「少人数だから必ず良い」とは言えない理由

少人数は「手厚くなりやすい条件」であって、「手厚さの保証」ではありません。保育士の人数が少なく、一人が抱える役割が大きいと、休みや緊急時の対応が難しくなることもあります。園の方針や職員の関わり方は園ごとに異なるため、少人数という言葉だけで判断しないことが大切です。

「3歳の壁」と少人数の園の選び方

「3歳の壁」とは何を指すのか

「3歳の壁」は、0〜2歳を対象とする保育施設(小規模保育など)に通っていた子どもが3歳になるとき、次の預け先を探す必要が生じ、受け皿の確保が課題になることを指す言葉です。待機児童対策として0〜2歳の施設が増えたことで、3歳以降の受け皿が課題になる地域があります。

3歳以降も続けられる制度・施設がある

「小規模保育は必ず3歳で転園する」と決まっているわけではありません。

3歳以降の主な選択肢
  1. 連携施設:卒園後の受け皿として、認可保育園や認定こども園などが連携する仕組み
  2. 3〜5歳児対象の小規模保育:3〜5歳のみを対象とする事業も制度として認められている
  3. 0〜5歳を通して受け入れる少人数の園:園の方針によっては、就学前まで在籍できる

連携施設が卒園後の受け皿になる

小規模保育事業では、卒園後の受け皿を確保するため、認可保育園や認定こども園などを連携施設として設定することが求められています。

3〜5歳児対象の小規模保育もある

児童福祉法の改正により、従来は国家戦略特別区域に限られていた3〜5歳児のみを対象とする小規模保育事業が、全国で認められる制度になりました。ただし内閣府の制度説明では、全国で実施できるのは小規模保育事業A型で、B型・C型は構造改革特区の特例措置を活用して実施するとされています。地域や事業者によって開設状況は異なります。

就学前まで在籍できる少人数の園

認可外保育施設を含め、少人数で0歳から就学前まで受け入れている園もあります。当園もその一つです。ただし、認可外か認可かによって無償化の対象条件や手続きが異なるため、費用面は次の記事もあわせてご確認ください。

3歳での転園を考える場合の準備や進め方は、こちらの記事が参考になります。

どんな家庭に少人数が合いやすいか

少人数が合いやすい・合いにくい場合
  1. 合いやすい:一人ひとりの様子を丁寧に見てほしい、落ち着いた環境を重視したい
  2. 合いにくい:友達の数や大きな行事・設備を重視したい

どちらが正しいということはなく、お子さんの性格や家庭の優先順位によって変わります。

見学・体験で見る5つのポイント

少人数かどうかに加えて、次の点を見学や体験で確認すると、その園が家庭に合うかを判断しやすくなります。

見学・体験でのチェックポイント
  1. 保育士と子どもの実際の関わり方
  2. 在籍人数と年齢構成
  3. 友達関係の広がり方
  4. 設備・行事の規模と日々の過ごし方
  5. 制度上の位置づけと3歳以降の見通し

保育士と子どもの実際の関わり方

人数の少なさよりも、その場で保育士が子ども一人ひとりにどう声をかけ、待ち、見守っているかを見てください。

在籍人数と年齢構成

定員だけでなく、実際の在籍人数と年齢の内訳を確認します。同年齢の子がいるか、異年齢でどう過ごしているかが分かります。

友達関係の広がり方

友達の人数が限られる分、どんな工夫で関わりの幅を広げているか(近隣の公園での交流、行事など)を質問してみましょう。

設備・行事の規模と日々の過ごし方

園庭の有無、外遊びの頻度、行事の内容と規模を確認します。設備が小さくても、日々の過ごし方が家庭の希望に合うかが大切です。

制度上の位置づけと3歳以降の見通し

認可か認可外か、小規模保育事業か、何歳まで在籍できるのか、卒園後の受け皿や連携施設はどうなっているかを確認しましょう。

見学で聞くべき質問や当日のチェック項目は、次の記事にまとめています。

よくある質問

少人数の保育園と小規模保育は同じものですか?

同じではありません。「小規模保育事業」は子ども・子育て支援新制度に位置づけられた認可の地域型保育事業で、定員は6〜19人と定められています。一方「少人数の保育園」は、認可外保育施設を含め、単に少人数で運営している園を指す一般的な言い方です。どちらも少人数ですが、制度上の位置づけや利用の手続き、卒園後の扱いは異なります。

少人数の保育園なら必ず手厚い保育を受けられますか?

必ずしもそうとは言えません。少人数は子どもの様子に気づきやすい環境をつくりやすい一方、実際の関わりの質は保育士の配置や園の方針によって変わります。人数の少なさだけで判断せず、見学で保育士の関わり方を確認することが大切です。

小規模保育は必ず3歳で転園しなければなりませんか?

一律に必ず転園というわけではありません。小規模保育は0〜2歳が中心ですが、連携施設による卒園後の受け皿の仕組みがあります。また、3〜5歳児のみを対象とする小規模保育事業も制度として認められています。実際の運用は自治体や園によって異なるため、お住まいの自治体と園に確認してください。

「3歳の壁」とは何ですか?

0〜2歳までを対象とする保育施設に通っていた子どもが、3歳になるときに次の預け先を探す必要が生じ、受け皿の確保が課題になることを指す言葉です。連携施設などの仕組みがありますが、地域や園によって状況が異なります。

少人数の園を見学するとき、何を確認すればよいですか?

保育士と子どもの関わり方、在籍人数と年齢構成、友達関係の広がり、行事や設備の規模、園の制度上の位置づけ、3歳以降の見通しを確認するとよいでしょう。気になる点は見学時に遠慮なく質問してください。

まとめ

「少人数の保育園」は人数の少なさを表す言葉で、制度上の「小規模保育事業」とは別ものです。少人数の環境には、子どもの変化に気づきやすい、異年齢で関われるといった良さがある一方、友達の選択肢や設備・行事の規模には限りがあります。どちらが優れているかではなく、家庭が大切にしたいことに合うかどうかが判断軸になります。

また、「3歳の壁」は制度上の課題ですが、連携施設、3〜5歳児対象の事業、0〜5歳を通して在籍できる園など、3歳以降の選択肢もあります。実際の取り扱いは自治体や園で異なるため、入園前に確認しておきましょう。

少人数の園が家庭に合うかは、写真や説明よりも、実際の空間と子どもたちの様子を見ると分かりやすくなります。

参考資料

※制度の内容は改正される場合があります。最新の情報はこども家庭庁および各自治体の公式サイトでご確認ください。

見学のポイントを、実際の園で確かめませんか?

神戸市のモンテッソーリ保育園で、子どもが自分で選び集中する姿を体験できます。初回無料のモンテ園体験クラスへどうぞ。

モンテッソーリ保育園での活動の様子
子育ての悩み、ひとりで抱えていませんか?

モンテチャットなら、モンテッソーリの専門家にAIで相談できます。

モンテチャットの利用イメージ

関連記事

フッターバナー画像