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1歳から2歳のお子様のイタズラにイライラ...考え方や対策をモンテッソーリ教育のプロが解説します。

はじめに

1歳から2歳の子どもが見せるティッシュ引き出しや水をこぼす行動に、ついイライラしてしまうことはありませんか?

大人にはイタズラに見えても、子どもにとっては手指の発達や原因と結果を確かめる大切な学びの時間です。

この記事では、モンテッソーリ教育の視点からイタズラ期をポジティブに捉え、安全に満足いくまで挑戦できる環境づくりと声かけのコツを解説します。

先生
この記事の要点
  • イタズラは手と感覚の発達を促す自然な行動だと理解する
  • 危険を取り除き同じ動作を安全に再現できる環境を用意する
  • 行動を止めるよりもルールと事実の言語化で自己肯定感を守る

筆者のプロフィール

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田中 洋子

  • みらいキッズモンテプリスクール 園長
  • モンテッソーリ教育幼稚園/保育園勤続 20 年
  • 日本モンテッソーリ協会ディプロマ取得
  • 幼稚園教諭免許
  • 保育士資格

目次

イタズラが増える理由

1歳を過ぎると、つまむ・ひねる・落とすなどの細かな運動感覚が急激に発達します。子どもは本能的に必要な動きを練習しようとし、目の前にあるティッシュやコップの水が最適な教材に見えるのです。

繰り返し同じ行動をするのは、感覚と運動の結び付きを強化し、自分で選びやり切る体験を通して自己肯定感を育てるため。禁止されると学びが途切れ、代わりに別のイタズラを探すことにもつながります。

イタズラから育つ力
  1. 手指の巧緻性 - つまむ・握る・ねじる動きが洗練され、後の書字やボタンかけにつながる
  2. 原因と結果の理解 - 「引っ張ると出てくる」「落とすと音がする」などの結果を自分で確かめられる
  3. 集中力と自己肯定感 - 自分で決めた行動を最後までやり切る経験が次の挑戦への自信になる

家庭で整えたい環境づくり3ステップ

イタズラ期を穏やかに乗り切る鍵は、子どもが興味を満たせる「OKエリア」を先に用意することです。以下の3ステップを週末に試してみましょう。

ステップ1:観察と記録

3日ほど行動をメモし、繰り返される動きと危険なシーンを洗い出します。

ステップ2:安全な代替案を準備

同じ刺激を得られる素材(引っ張れる布、水を移すボウルなど)をトレーにまとめ、子どもが自分で取り出せる場所に置きます。

ステップ3:始まりと終わりを整える

スタートの合図と片付けの順番を決め、毎回同じ言葉で伝えます。終わったらトレーごと片付け箱へ戻すルールを共有しましょう。

環境準備のチェックリスト
  1. ティッシュや紙は半量に減らし、補充は大人が見守る
  2. 水遊びは防水マットやトレーで囲い、タオルをすぐ届く場所に置く
  3. 危険な洗剤や小物は大人の目線より上の棚に移動する

安全な代替案と声かけのコツ

危険な行動を見つけたときは、禁止する前に「同じ動きができる安全な場所」へ案内することが大切です。子どもは動作そのものをやり切りたいので、代替案がすぐ出てくると落ち着いて切り替えられます。

行動を切り替えるときの流れ

  1. 危険であることを短く伝える(例:「ここはガラスがあるから危ないよ」)
  2. 安全な代替案を提示する(例:「こっちのタライで水を移してみよう」)
  3. 終了の合図を固定化し、片付けまで一緒に確認する
OKな声かけ
  1. 事実の言語化:「たくさん引っ張ったね。ティッシュがふわっと出てきたね」
  2. 選択肢の提示:「こっちとこっち、どっちで続けてみる?」
  3. ルールの共有:「終わったらこの箱に一緒に戻そう」
避けたい声かけ
  1. 否定だけで終わる言葉:「ダメ!」「やめて!」など理由と代替案がない言い方
  2. 人格を否定する評価:「どうしてこんなことするの?」
  3. 大人がすぐ代わりに行う行動:挑戦の機会を奪い、自己肯定感を下げてしまう

モンテッソーリ教具の活用例

子どもの興味に合ったモンテッソーリ教具を用意すると、イタズラが学びに変わります。例えば、水が気になる子にはスポンジ絞り、物を落としたい子にはポスティングなど、同じ動きを安全に繰り返せる教具が揃っています。

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よくある質問

Q. 危ない場所でイタズラする時はどう止めればいいですか?

A. 危険を短く伝えた上で、安全な場所へ案内し同じ動作を続けられるようにしましょう。ティッシュなら布巾や紙テープ、水遊びならタライとスポンジなど、代替案をすぐに提示すると切り替えがスムーズです。

Q. 家が狭くて教具を置くスペースがありません。

A. トレー1枚を活動の単位にし、必要な道具をセットでまとめると省スペースで管理できます。終わったら片付け箱に戻すルールを共有すれば、リビングの一角だけで運用できます。

Q. 兄弟が片方の活動を邪魔してしまいます。

A. マットやテープで境界線をつくり、交代の順番を決めておきましょう。待っている子には別のトレーを用意し、「終わったら交代しようね」と事前にルールを伝えるとトラブルが減ります。

モンテチャットで専門家に相談

1〜2歳のお子さまの行動で不安を感じたら、モンテチャットをご利用ください。モンテッソーリ教育の専門知識を持つAIが24時間、具体的なアドバイスをお届けします。

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まとめ

イタズラは子どもの成長に欠かせない自然な学びです。禁止するのではなく、安全に満足できる環境を整えてあげることで、親子双方のストレスが軽減されます。

今日から取り入れたいポイント
  1. 行動の背景を理解し、必要な動きを安全に満たせる代替案を用意する
  2. 始まりと終わりのルールを決めて、最後までやり切る体験を支える
  3. 事実を伝える声かけと見守りで、自己肯定感と集中力を育てる

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