1歳から2歳の子どもが見せるティッシュ引き出しや水をこぼす行動に、ついイライラしてしまうことはありませんか?
大人にはイタズラに見えても、子どもにとっては手指の発達や原因と結果を確かめる大切な学びの時間です。
この記事では、モンテッソーリ教育の視点からイタズラ期をポジティブに捉え、安全に満足いくまで挑戦できる環境づくりと声かけのコツを解説します。
田中 洋子
1歳を過ぎると、つまむ・ひねる・落とすなどの細かな運動感覚が急激に発達します。子どもは本能的に必要な動きを練習しようとし、目の前にあるティッシュやコップの水が最適な教材に見えるのです。
繰り返し同じ行動をするのは、感覚と運動の結び付きを強化し、自分で選びやり切る体験を通して自己肯定感を育てるため。禁止されると学びが途切れ、代わりに別のイタズラを探すことにもつながります。
イタズラ期を穏やかに乗り切る鍵は、子どもが興味を満たせる「OKエリア」を先に用意することです。以下の3ステップを週末に試してみましょう。
3日ほど行動をメモし、繰り返される動きと危険なシーンを洗い出します。
同じ刺激を得られる素材(引っ張れる布、水を移すボウルなど)をトレーにまとめ、子どもが自分で取り出せる場所に置きます。
スタートの合図と片付けの順番を決め、毎回同じ言葉で伝えます。終わったらトレーごと片付け箱へ戻すルールを共有しましょう。
危険な行動を見つけたときは、禁止する前に「同じ動きができる安全な場所」へ案内することが大切です。子どもは動作そのものをやり切りたいので、代替案がすぐ出てくると落ち着いて切り替えられます。
子どもの興味に合ったモンテッソーリ教具を用意すると、イタズラが学びに変わります。例えば、水が気になる子にはスポンジ絞り、物を落としたい子にはポスティングなど、同じ動きを安全に繰り返せる教具が揃っています。
興味に合う教具選びに迷ったら、質問に答えるだけで最適な教具を提案する無料診断をご活用ください。
A. 危険を短く伝えた上で、安全な場所へ案内し同じ動作を続けられるようにしましょう。ティッシュなら布巾や紙テープ、水遊びならタライとスポンジなど、代替案をすぐに提示すると切り替えがスムーズです。
A. トレー1枚を活動の単位にし、必要な道具をセットでまとめると省スペースで管理できます。終わったら片付け箱に戻すルールを共有すれば、リビングの一角だけで運用できます。
A. マットやテープで境界線をつくり、交代の順番を決めておきましょう。待っている子には別のトレーを用意し、「終わったら交代しようね」と事前にルールを伝えるとトラブルが減ります。
1〜2歳のお子さまの行動で不安を感じたら、モンテチャットをご利用ください。モンテッソーリ教育の専門知識を持つAIが24時間、具体的なアドバイスをお届けします。

イタズラは子どもの成長に欠かせない自然な学びです。禁止するのではなく、安全に満足できる環境を整えてあげることで、親子双方のストレスが軽減されます。